初心者が金の延べ棒を購入する前に知るべきこと
「インフレに備えたい」「資産を安全に守りたい」と考えて、金の延べ棒(インゴット)の購入を検討する人は少なくありません。
しかし、初めて金を買う方は仕組みやリスクを理解しないまま購入してしまい、思わぬトラブルや損失を招くことがあります。ここでは初心者が押さえておきたい基礎知識と注意点をまとめました。
1. 金の延べ棒とは?
金の延べ棒は、純度99.99%以上の金を固めた現物資産です。世界共通の価値を持ち、国際相場に基づいて価格が変動します。
そのため、世界的な金融不安やインフレ時には「安全資産」として需要が高まる傾向があります。
2. 購入の最低単位と価格
金の延べ棒は1kg単位が一般的ですが、業者によっては500gや100gなど少額から購入できるものもあります。
ただし、重量が小さいほど手数料やプレミアムが割高になる点には注意が必要です。
3. 信頼できる業者を選ぶことが最重要
初心者が最も失敗しやすいのが「業者選び」です。ネットやオークションでは偽物や純度の低い金が出回るリスクがあります。
チェックポイント
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LBMA(ロンドン地金市場協会)認定の延べ棒か
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大手貴金属商社や銀行・証券会社を通じて購入できるか
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品質保証書(Certificate)が発行されるか
4. 保管方法を事前に考える
金の延べ棒は盗難リスクが高いため、自宅保管には注意が必要です。
保管の選択肢
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自宅の耐火金庫
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銀行の貸金庫
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業者が提供する保管サービス(セーフティサービス)
保管サービスは年間費用がかかりますが、盗難リスクを回避できる安心感があります。
5. 売却の仕組みを理解しておく
金は「買って終わり」ではなく、将来の売却を考えて購入すべきです。
確認すべきポイント
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購入業者が買い戻しに対応しているか
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売却時の手数料やスプレッド(売値と買値の差)はどれくらいか
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複数の業者に査定を依頼できる体制があるか
6. 相場変動リスクを理解する
金は安全資産といわれますが、短期的には価格が大きく上下することもあります。
「必ず値上がりする」と思い込むのは危険です。
初心者へのアドバイス
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長期保有を前提にする
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資産のすべてを金に偏らせない
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投資信託や株式、不動産と組み合わせた分散投資を意識する
7. 手数料・税金にも注意
金の購入や売却には手数料がかかり、利益が出た場合には税金(譲渡所得税)が課されます。
これを知らないと、実際の利益が思ったより少なくなることがあります。
チェックすべきこと
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購入時のプレミアム(上乗せ料金)
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売却時の手数料
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保管サービスの利用料
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売却益にかかる税金(課税ルール)
まとめ
初心者が金の延べ棒を購入する際に大切なのは、
**「信頼できる業者を選ぶ」「保管方法を決める」「売却条件を把握する」「相場リスクを理解する」**の4点です。
金は資産防衛の有力な手段ですが、正しい知識と準備がなければリスクを抱えることになります。安心してスタートするために、まずは小口の購入や、銀行・証券会社の保管サービスを利用するのもおすすめです。