金延べ棒の贈与・相続、意外と知らない税金のポイント!
金(ゴールド)の延べ棒、いわゆる「インゴット」や「ゴールドバー」は、その価値の高さから資産として保有する方も多いですよね。そんな金延べ棒を、大切な方に「贈与」したり、亡くなった後に「相続」したりする場合、税金について知っておくべきポイントがあります。今回は、贈与税と相続税の観点から、金延べ棒に関する税金のあれこれを分かりやすく解説します!
贈与税がかかるケースとは?
贈与税は、個人から財産をもらった時にかかる税金です。金延べ棒を贈与する場合、以下の点に注意が必要です。
年間110万円が基礎控除額: 1年間にもらった財産の合計額が110万円までなら、贈与税はかかりません。この110万円は、贈与を受ける人(受贈者)ごとに毎年適用されます。
評価方法: 金延べ棒の贈与税評価額は、「贈与した日の時価」で計算されます。金相場は日々変動するため、贈与するタイミングで評価額が変わる可能性があります。贈与する前に、その日の金相場を調べて、1グラムあたりの買取価格に重量を掛けて計算しましょう。
贈与契約書の作成: 贈与の事実を明確にするために、贈与契約書を作成することが推奨されます。金延べ棒の写真やシリアルナンバー、贈与日などを記載しておくと、後々のトラブルを防ぐのに役立ちます。
申告と納税: 贈与額が年間110万円を超える場合は、翌年の2月1日から3月15日までに贈与税の申告と納税が必要です。
毎年の基礎控除を活用した「暦年贈与」
毎年110万円の基礎控除枠を利用して、数年かけて贈与することで、贈与税をかけずにまとまった資産を移転する方法があります。これが「暦年贈与」です。ただし、あまりにも頻繁すぎる贈与や、短期間に多額の贈与をまとめて行うと、「名義預金」とみなされたり、税務署から指摘を受けたりする可能性もあるので注意が必要です。
相続税がかかるケースとは?
相続税は、亡くなった方から財産を受け継いだ時にかかる税金です。金延べ棒も、亡くなった方の財産として相続税の課税対象となります。
評価方法: 金延べ棒の相続税評価額は、被相続人(亡くなった方)が亡くなった日(相続開始日)の業者買取価格で評価されます。
例えば、相続開始日の金買取価格が1グラムあたり8,000円で、1kg(1,000g)の金延べ棒を所有していた場合、相続税評価額は8,000円 × 1,000g = 800万円となります。
業者の買取価格を確認: 評価額の計算には、貴金属業者の買取価格が基準となります。一般社団法人日本金地金流通協会の加盟店などのウェブサイトで確認したり、直接問い合わせたりして、相続開始日の価格を把握しましょう。
タンス預金と同じ扱い: 金延べ棒は、現金(タンス預金)と同じように、隠すことができる財産と見なされがちですが、税務署は過去の所得や預金の記録などから財産を調査するため、隠し通すことは困難です。見つかった場合には、延滞税や過少申告加算税といったペナルティが課される可能性があります。
祭祀財産にはならない: 金の仏像や仏具などを「祭祀財産」として相続税の課税対象から外そうと考える方もいるかもしれませんが、金延べ棒を祭祀財産として扱うことは、社会通念上不自然と判断され、一般財産として課税対象となる可能性が高いです。
贈与・相続時の注意点まとめ
贈与税: 年間110万円の基礎控除を把握し、贈与日の時価で評価。贈与契約書の作成も検討。
相続税: 相続開始日の業者買取価格で評価。税務署に隠すことは難しく、ペナルティのリスクも。
価値の証明: 購入時の領収書や売却時の取引明細書など、金額を証明できる書類は大切に保管しておきましょう。
専門家への相談: 税金の計算や申告は複雑になることもあります。不安な場合は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
金延べ棒の贈与や相続は、将来の資産継承において重要なステップです。税金に関する正しい知識を身につけて、スムーズな資産移転を実現しましょう!