金の延べ棒を家庭用金庫で管理する際の注意点
金の延べ棒は現物資産の中でも特に高額で価値のあるものです。そのため「家庭用金庫に入れて保管したい」と考える方も多いですが、金庫を置くだけで安心とは限りません。盗難や火災、災害への備えを怠ると、大切な資産を失うリスクがあります。この記事では、家庭用金庫で金の延べ棒を保管する際の注意点を具体的に解説します。
家庭用金庫での保管を選ぶ理由
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即時に取り出せる利便性
→ 価格高騰時や急な売却時にすぐ対応できる。 -
銀行の営業時間に縛られない
→ 休日や夜間でも自由にアクセス可能。 -
維持費がかからない
→ 銀行貸金庫のような年間利用料が不要。
一方で、金庫の選び方や設置場所を誤ると、空き巣や火災時に無力になることもあります。
注意点① 金庫の耐火・耐水性能を確認する
金の延べ棒は燃えませんが、火災や水害時に「発見できなくなる」リスクがあります。
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耐火時間が 1時間以上 の金庫を選ぶ
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耐水性能があるモデルを選び、水害や消火活動時に備える
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温度変化や湿気を防ぐため、乾燥剤を一緒に入れる
注意点② 防盗性能の高さを優先する
一般的な家庭用金庫は「書類や現金用」で、バールや電動工具で簡単に破られるものもあります。
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耐工具試験合格品(防盗金庫) を選ぶ
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重量があり、床に固定できるタイプが望ましい
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暗証番号式・指紋認証式など、複数の解錠方法があるモデルを採用
注意点③ 設置場所を工夫する
金庫は「あることが知られる」だけで狙われます。
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玄関近くや目立つ場所は避ける
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床下や壁面収納など、人目につかない場所に設置
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家族以外には保管場所を絶対に知らせない
注意点④ 保険と併用する
どれだけ頑丈な金庫を選んでも「絶対安全」は存在しません。
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家財保険に「貴金属補償」を付帯する
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盗難や災害時に金銭的なカバーを確保する
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金庫メーカーによっては「盗難補償」が付く製品もある
注意点⑤ 定期的に中身を確認する
長期保管していると、湿気による変色や汚れが生じることがあります。
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半年〜1年に一度は開けて状態を確認
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乾燥剤の交換や清掃を行う
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価値を維持するために「インゴットの証明書」も一緒に保管
まとめ
家庭用金庫で金の延べ棒を管理することは、利便性が高くコストもかかりません。しかし、
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防盗性能が高い金庫を選ぶ
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耐火・耐水性能を重視する
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設置場所を工夫する
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保険と組み合わせる
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定期的に点検する
これらを徹底して初めて、安全な資産保管が可能になります。銀行貸金庫と比べて自由度は高いものの、自宅保管には常にリスクが伴うため、金庫選びは「防犯設備」と同じくらいの慎重さで行うことが大切です。