【地域別】通夜振る舞いの違いとは?関東と関西で異なる食事の習慣と注意点
お通夜の後に提供される食事「通夜振る舞い(つやぶるまい)」は、故人を偲ぶ大切な場ですが、その習慣は東日本と西日本で大きく異なることをご存知でしょうか。
「関東では全員が席につくのが当たり前だと思っていたけれど、関西では親族だけだった」「用意されていた料理の種類が全然違った」といった戸惑いの声は少なくありません。
この記事では、関東と関西を中心とした地域別の通夜振る舞いの違い、食事の内容、参列者が気をつけるべき注意点を詳しく解説します。
関東と関西でこんなに違う!通夜振る舞いの基本スタイル
通夜の食事に対する考え方は、地域によって明確な差があります。参列する地域の風習を知っておくことで、失礼のない振る舞いが可能になります。
関東(東日本)の傾向:一般参列者も食事をする
関東地方では、お通夜に参列したすべての人に食事を振る舞うのが一般的です。
対象者:親族だけでなく、仕事関係者や近所の方など、一般参列者も含まれます。
振る舞い方:焼香を終えた順に別室(会食場)へ案内されます。
マナー:声をかけられたら一口でも箸をつけるのが供養とされます。一口召し上がったら、長居せずに次の方へ席を譲るのがスマートな立ち振る舞いです。
関西(西日本)の傾向:親族のみで静かに行う
一方、関西地方では、通夜振る舞いを一般参列者には行わないケースが多く見られます。
対象者:基本的に遺族や親族、ごく親しい知人のみに限定されます。
振る舞い方:一般参列者は焼香を済ませたら、そのまま退席するのが通常の流れです。
マナー:関西では、参列者には食事の代わりに「粗供養品(そくようひん)」とお茶菓子などを渡して帰路についていただくのが通例です。無理に食事の場を探したり、長居したりしないよう注意しましょう。
地域によって異なる代表的な献立とメニュー
提供される料理の内容にも、地域性が色濃く反映されています。
関東:大皿料理の「取り分けスタイル」
大勢の参列者が入れ替わり立ち替わり訪れるため、効率よく食事ができるメニューが選ばれます。
主な料理:お寿司の盛り合わせ、サンドイッチ、煮物、オードブル。
特徴:好きな分だけ取り分けられる大皿形式が主流です。最近では衛生面に配慮し、個包装の軽食を用意するケースも増えています。
関西:親族で囲む「御膳」や「精進料理」
少人数で行うことが多いため、一人ひとりに配膳される形式が一般的です。
主な料理:精進料理、懐石料理、助六寿司(いなり寿司と巻き寿司)。
特徴:故人を囲んでゆっくりと静かに食事を共にします。また、香川県など一部の地域では「うどん」を振る舞うなど、独自の食文化が葬儀の席にも根付いています。
その他の地域独自の風習
北海道:お通夜の後に親族だけでなく、一般の参列者も含めて集合写真を撮影し、その後、盛大な食事会を行うことがあります。
東北地方:お通夜の前に「通夜振る舞い」に近い食事を済ませる「前火葬」の地域もあり、順序が異なる場合があります。
参列時にトラブルを避けるための注意点
地域ごとの違いを踏まえ、どのような場面でもスマートに対応するためのポイントをまとめました。
1. 「お清め」の考え方の違い
関東では、通夜振る舞いのお酒を「お清め」と呼び、一口飲むことがマナーとされることもありますが、お酒が飲めない方に無理強いは禁物です。また、宗教によってはアルコールを一切出さない場合もあります。
2. 案内がない場合は速やかに退席する
受付の後に食事会場への案内がなければ、その地域では親族のみで食事を行うスタイルである可能性が高いです。周囲の動きを見て、一般参列者が帰宅しているようであれば、それに合わせましょう。
3. 香典返しとの兼ね合い
食事を振る舞う地域と、食事を出さない代わりに返礼品を充実させる地域があります。「食事がなかったから香典の額と釣り合わない」といった不満を持つのは控え、その地域の文化を尊重しましょう。
喪主として準備する際の対策
もし自分が喪主となり、他県から親戚が集まる場合は、あらかじめ「こちらの地域ではこのような形式で行います」と一言添えておくと親切です。
人数の把握:関東スタイルなら参列予想数の7〜8割、関西スタイルなら親族の確定人数分を用意します。
アレルギーへの配慮:特に親族のみの席では、事前に食物アレルギーを確認しておくと、トラブルを未然に防げます。
まとめ:地域の作法を重んじて故人を偲ぶ
通夜振る舞いの形式は、関東と関西で大きく異なりますが、「故人を供養し、参列者に感謝する」という本質的な目的は同じです。
自分が参列する、あるいは葬儀を執り行う地域の習慣を事前に確認しておくことで、余計な不安を感じることなく、心穏やかにお別れの時間を過ごすことができます。迷った際は、その土地に詳しい葬儀社のスタッフや、地元の親戚にアドバイスを仰ぐのが最も確実な対策です。
知っておくと役立つチェックリスト
参列先の地域は関東型か関西型かを確認する
会場での案内に注意し、食事の有無を判断する
食事の席では故人の思い出を静かに語り合う
地域ごとの忌み言葉や作法に配慮する
慣れない土地での参列でも、地域の習慣を尊重する姿勢があれば、遺族に対しても失礼になることはありません。
通夜の食事(通夜振る舞い)の席でのマナーと献立の知識:参列時や喪主側の準備を解説