お通夜の参列マナー完全ガイド|香典の相場・服装・数珠の持ち方まで徹底解説
突然の訃報を受け、お通夜に参列することになった際、「失礼のない振る舞いができるだろうか」と不安に思う方は少なくありません。お通夜は故人との最後のお別れを惜しむ場であり、遺族への配慮が最も求められる儀式です。
この記事では、香典の相場や書き方、失敗しない服装、数珠の持ち方、さらには受付での挨拶まで、お通夜に参列する際に役立つマナーを網羅して解説します。
お通夜の香典マナー:相場と正しい書き方
香典は、故人への供養の気持ちを表すと同時に、急な出費が重なる遺族を助け合うという意味があります。
1. 香典の金額相場
香典の金額は、故人との関係性や自身の年齢によって異なります。多すぎても少なすぎても失礼にあたる可能性があるため、以下の目安を参考にしてください。
| 故人との関係 | 金額の目安 |
| 両親 | 30,000円 〜 100,000円 |
| 兄弟・姉妹 | 30,000円 〜 50,000円 |
| 祖父母 | 10,000円 〜 30,000円 |
| 親戚(叔父・叔母等) | 10,000円 〜 20,000円 |
| 友人・知人 | 5,000円 〜 10,000円 |
| 仕事関係・近所 | 5,000円 〜 10,000円 |
注意点:「4(死)」や「9(苦)」を連想させる数字、割り切れる数字(偶数)は避けるのが一般的ですが、最近では20,000円などは許容される傾向にあります。
2. 香典袋(不祝儀袋)の書き方
表書き:仏式では「御霊前」や「御香典」と書きます。浄土真宗の場合は「御仏前」とするのが正式ですが、通夜では「御霊前」でも間違いではありません。
筆記具:薄墨(うすずみ)の筆や筆ペンを使用します。「悲しみの涙で墨が薄まった」という意味が込められています。
氏名:表書きの下段中央に、フルネームで記入します。
3. お札の入れ方
新札(未使用の綺麗な札)は「あらかじめ準備していた」=「不幸を予期していた」とされるため、避けるのがマナーです。新札しか手元にない場合は、一度折り目をつけてから包みます。お札の向きは、表を裏側に向け、顔が下にくるように入れるのが一般的です。
失敗しないお通夜の服装:男女別のポイント
お通夜は急いで駆けつけるという意味合いがあるため、かつては「平服(略装)」が推奨されていました。しかし現代では、多くの場合で「準喪服(ブラックスーツなど)」を着用するのが主流です。
男性の服装
スーツ:黒のフォーマルスーツ(ブラックスーツ)。
ワイシャツ:白の無地。襟の形がレギュラーなもの。
ネクタイ:黒無地。結び目にディンプル(くぼみ)を作らないようにします。
靴・靴下:黒の無地。金具のないシンプルな紐靴(内羽根式)が理想です。
女性の服装
アンサンブル・ワンピース:黒のフォーマルウェア。膝が隠れる丈のものを選びます。
ストッキング:黒の薄手のもの。厚すぎるタイツは避けましょう。
靴:黒のパンプス。布製または光沢のない革製で、ヒールは低めのものが適切です。
アクセサリー:結婚指輪以外は外すのが基本です。ネックレスを付ける場合は、一連の真珠(パール)を選びます。二連は「不幸が重なる」とされるため厳禁です。
数珠の持ち方と焼香の作法
宗派によって細かな違いはありますが、一般的な参列者として知っておくべき基本作法を解説します。
数珠(じゅず)の持ち方
数珠は左手に持ちます。歩くときは左手の親指と人差し指の間にかけ、房を下に垂らします。合掌する際は、左手の指にかけた数珠の中に右手を差し入れるか、両方の手のひらを合わせた上から数珠をかけ、親指で軽く押さえます。
焼香(しょうこう)の手順
順番が来たら遺族に一礼し、焼香台の前へ進みます。
遺影に向かって深く一礼します。
右手の親指・人差し指・中指の3本で香をつまみます。
額の高さまで捧げ(「頂く」と言います)、香炉の中に静かに落とします。※宗派により回数が異なりますが、一般参列者は1回〜3回丁寧に行えば問題ありません。
合掌して深く一礼します。
数歩下がり、遺族に一礼して席に戻ります。
受付での挨拶と振る舞い
会場に着いたら、まずは受付で記帳と香典の受け渡しを行います。
香典の渡し方
香典は「袱紗(ふくさ)」に包んで持参します。色は紺、グレー、紫などの寒色系を選びます。
受付の前で袱紗から香典袋を取り出します。
袱紗を畳んで台にし、その上に香典袋を乗せます。
相手から文字が読める向き(反時計回りに180度回転)にして、両手で差し出します。
受付での言葉添え
「この度はご愁傷様でございます」と短く述べます。大きな声で話したり、長話をしたりするのは控えましょう。
「この度はお悔やみ申し上げます」「お焼香させていただきます」といった言葉も適切です。
参列時に気を付けたい「忌み言葉」
遺族と会話を交わす際、以下の言葉は避けるのがマナーです。
重ね言葉:「たびたび」「重ね重ね」「いよいよ」など(不幸が繰り返されることを連想させるため)。
直接的な表現:「死亡」「死んだ」などは使わず、「ご逝去」「他界」と言い換えます。
励ましすぎない:「元気を出して」「頑張って」といった言葉は、深い悲しみの中にいる遺族の負担になることがあるため、控えるのが賢明です。
まとめ:心を込めたお別れのために
お通夜のマナーで最も大切なのは、形式以上に「遺族の悲しみに寄り添う心」です。
万が一、数珠を忘れてしまったり、急な参列で完璧な喪服が用意できなかったりしても、清潔感のある地味な装いで、丁寧な言葉遣いを心がければ、その誠意は伝わります。
事前に基本的な知識を身につけておくことで、当日は慌てることなく、故人との最後のお別れに集中することができるでしょう。
よくある質問(FAQ)
Q. お通夜と告別式、どちらに参列すべき?
A. 本来は両方ですが、仕事の都合などで片方しか参列できない場合は、お通夜のみの参列でも失礼にはあたりません。
Q. 代理で参列してもいい?
A. はい。配偶者や部下が代理で参列する場合は、芳名帳に依頼主の名前を書き、その下に「代」と記入します。
Q. 子供を連れて行っても大丈夫?
A. 基本的には問題ありませんが、静かにできない可能性がある場合は、席を外しやすい後方に座るなどの配慮が必要です。
通夜の食事(通夜振る舞い)の席でのマナーと献立の知識:参列時や喪主側の準備を解説